”背負い込んだ想い出”の分だけ人は哀しい

背負い込んだ想い出の分だけ人は哀しい


東京都中野区野方疲労回復治療院
 
「久しぶりだね」
水滴のついたグラスをテーブルの傍にどけて、
彼女は言った。
レコードからは低く抑えられたトム・ウェイツ。
外は雨。
 
 
 
 
どうした?
疲れた顔して。
 
俺を呼び出すなんて珍しいな。
雨の音聴いて、昔を思い出したのか?
 
 
 
 
 
…そうか。
色々あったんだな。あれから。
 
でも、
生きてりゃそういう日もあるわな。
 
 
まぁ…呑めよ。
良い日も悪い日も酒はあんたの味方だ。
 
 
 
 
そーいや、誰かが
“背負いこんだ想い出の分だけ人は哀しい”
なんて洒落たことを言ってたぞ。
 
 
 
 
 
ん?あぁ…俺か。
 
 
 
でも、
記憶ってのは
思い出す度に刷新されて
作り替えられるもんだからな。
 
想い出は美しくなる運命だ。
 
 
 
 
 
 
ふふっ…
キザなところは変わってないだろ?
 
 
 
 
 
 
…ところで、なぁ?
 
 
その鼻はシリコンか?
最近は
手術のレベルが上がったって聞いてたけど、
やっぱりナチュラルな美しさには程遠いな。
 
 
 
 
 
…怒るなって。冗談だよ。
 
あんたは今も昔も美しいさ。
 
 
 
 
 
もう一杯どうだ?
 
 
それとも…
 
ベッドで休んでくか?
 
 
 
 
 
…馬鹿。
勘違いすんなよ。
 
 
過去をほじくり返して、
新しい男と比べられるのは大嫌いでね。
 
終わったことに興味はないんだ。
 
 
 
 
“休んでくか?”ってのは、
つまり…
 
 
「身体を楽にするか?」って話だ。
 
 
 
 
 
そうか。
身体が軽くなれば、
心も少し楽になんだろ。
 
 
…行こう。
 
 
 
 
行き先→taskkato.com
 
 
 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です